日本語は美しい

 日本の言語については前作でも触れたが今回は切り口を変え改めて日本語のすばらしさを述べて見たい。
 日本語しかしゃべれない私が評価するのもおこがましいが知人やアメリカ人女性の話も参考に分析してみたい。
 日本の言葉はよく世界一難しいとか世界一美しいといわれる。
 その原因をいくつか挙げて見たい。
 
 日本の言語は何といっても「漢字」という表意文字があり、しなやかでやさしい「ひらがな」にユニークな「カタカナ」があり、以下「ローマ字」、「漢数字」、「算用数字」、「英語」を含めると日本人は実に七種類にも及ぶ言語を操(あやつ)っていることになる。
 それだけではなくもう一つ「オノマトペ」という便利な言葉がある。
 こちらの方は私たちが無意識の内に日常的よく使っている言葉であり、例を挙げると「ヒリヒリ」、「ピリピリ」、「キリキリ」とか「ワンワン」、「ニャーニャー」、「ビュービュー」など擬音語や擬態語などのことであり、非常に便利で分かりやすい。
 アルファベットはわずか二十六文字の記号であるのに対し漢字は常用漢字だけでも約二千文字もあり、しかも音読みに訓読みまであり語彙(ごい)の多さは際立って多い。
 確かに漢字は難解であるがそれぞれの文字には意味があり、文字を見ただけで風景や情景までが浮かんでくる。
 童謡唱歌を例に挙げて見よう。

春・♪菜の花畑に 入日薄れ 見渡す山の端 霞みふかし 春風そよふく・・・。

夏・♪卯の花の 匂う垣根に ホトトギス 早も来鳴きて 忍び音漏らす・・・。

秋 ・♪静かな 静かな 里の秋 お背戸に木の実の 落ちる夜は ああ母さんと・・・。

冬・♪さ霧消ゆる 湊江の 舟に白し 朝の霜 ただ水鳥の 声はして・・・。

 ここで気が付くのは歌詞の情景が表意文字(意味を持つ言葉)と重なって思い浮ぶ映像を深め、心に響く曲になることである。
 そしてもう一つ気が付くのは歌詞の詩が七・五調になっていることである。
 日本語は和歌や俳句もそうであるが七と五の組み合わせが語呂(ごろ)(リズム)がよく耳になじみやすいとされている。
 海外の人から見ても日本語がきれいに聞こえるというのは極端なイントネーションがなく、違和感なしに耳に入ってくるからではないかと思われる。
 更に日本語の特長を上げると四季自然にまつわる言葉や相手に対しての気配りの言葉が多いことである。
 近年は美しい日本語である丁寧語や「です・ます調」の言葉が乱れてきていることが気になる。