四季・自然を愛する日本人

 日本には昔から四季を通して日常的に季節の挨拶があった。
 「いいお天気ですねー、今日は暖かいですねー、寒いですねー・・・」
 今でこそ余り見かけなくなった光景であるが一昔前まではわざわざ足を止め、そんな会話から一日がスタートしていた。
 携帯は勿論、電話もなかった頃は手紙や挨拶文の書き出しも「陽春の候、猛暑のみぎり、秋気爽快(そうかい)の候、寒さ身に染(し)みる候・・・」などと季節感や寒暖暑涼を交えた言葉がずらりと並んでいた。
 つまり日本人は古くからどこの国よりも自然と調和しながら暮らしてきた国民なのである。
 天気予報においても当たろうが当たるまいが日々注目され、気象庁は「おらが街の測候所」として国民から最も慕われる官庁といわれた時期があった。
 天変地異に気象災害の多い中で農業・漁業を生業(なりわい)として暮らしてきた先人達は自然から目を離すと死活問題につながることを恐れてきた。
 それと同時に日本人は日々刻々と変化する四季の移ろいを心のよりどころとして一喜一憂しながら暮らしてきた。
 日本人は少々の自然災害や気象災害よりも素晴らしい四季自然の中で田畑や海での生業の方がよほど大切であったのではないだろうか。
 ここにも「日本に生まれてよかったね」という言葉が出てくる。