悪名高き日本の夏

 日本の夏の暑さは「うだるような」という言葉で形容されるように世界から見てもすこぶる評判が悪い。
 「うだる」とは「茹(ゆだ)る」が転化した言葉であり、地方によっては「ゆで卵」のことを「うで卵」と呼ぶのと同じである。
 本来の意味は暑さのために体がぐったりするような暑さのことをいったものである。
 また、カンカン照りの暑さは「焼けつくような」とか「ジリジリとした」と表現する。
 こちらの方は肉や脂(あぶら)が焼けつくような様子に例えたものであり、日差しの強さを表す場合に用いる。
 日本列島は太平洋の西端に浮かぶ島国であり、小笠原高気圧の縁辺を回り込んでくる暖湿流は容赦なく日本列島に流れ込んでくる。
 蒸し風呂のような暑さであれ、焼けつくような暑さであれ日本の夏は不快感極まりない。
 日本は北欧から赤道までの気候を持つ国とされるが日本の夏だけは世界中から悪名が高い。
 日本は夏の猛暑さがあってこそ秋の喜びがあり、冬の寒さがあってこその春の喜びがある。
 この喜怒哀楽の激しい気候風土がなかったならば日本人はまた別の人種になっていたことであろう。