職人気質

 日本には昔から各分野において匠(たくみ)の技をもつ職人が多く、中には名工とか名匠(めいしょう)と呼ばれ神業(かみわざ)的な技術を持つ人もいる。
 幕末に来航したあのペリー提督も日本人の物作りや技術レベルの高さに驚嘆(きょうたん)し、日本はいずれ強力なライバル国になると予測した。
 いつごろからか日本はドイツのマイスター制度に倣(なら)ってか資格制度や専門学校などを作ったが昔の職人は一人前になるまでは生半可(なまはんか)な根性では務まらなかったという。
 徒弟制度(とていせいど)の中で技は盗め、体で覚えよなどどと職人気質(かたぎ)を叩(たた)込まれた。
 名工とされる人の作品を眺める時、これが血のにじむような修行の結果から生まれた作品かと思うとより感動することになる。
 勿論、作者自身も人に後ろ指を指されるようなものや自分に納得できないようなものは作品に値(あたい)しないという自負心をもっていた。
 一時期は決して自分に妥協しないという職人技もカッコいいなと魅力を感じたこともあったが今も神社仏閣の建物やお城の石積(いしづみ)などを見るといつの時代に誰がどのようにして作ったのかとロマンさえ感じる。
 将来はコンピューターにAIがあらゆる面で人間を凌駕(りょうが)し、人の職業を奪う時代がやってくるといわれているが職人気質という言葉までもが滅びゆくのであろうか。