日本人のきれい好き

 初めて日本を訪れる観光客がまず驚くのは街がきれいということ、山川草木と清流の自然が美しいということ、部屋に上がる時に靴を脱ぐということ、お風呂とトイレが別々になっているということだそうだ。
 そこで日本人がなぜ昔からきれい好きな国民といわれるのかを探ってみると誰しもが日本は降水量が多く夏場が蒸し暑いからという答えが返ってくる。
 正にその通りであり日本には梅雨だけでなく菜種(なたね)梅雨(づゆ)、筍(たけのこ)梅雨、秋霖(しゅうりん)、山茶花(さざんか)梅雨、などと昔は雨の降りやすい季節には名前まで付けたほどである。
 従って昔の家屋は湿気と洪水を考慮して高床(たかゆか)式になっており、帰宅の際は上(あ)がり框(かまち)で履(は)き物を脱ぎ、足を洗って畳の部屋に入っていた。
 そして日本人の風呂は体を洗うだけでなく湯船(ゆぶね)につかって一日の疲れを取り、心身をリラックスさせてくつろぐという習慣を持っている。
 日本人の風呂好き、きれい好きは至る所に清流が溢(あふ)れ、温泉が湧くということもあるが体を清めるという風習が根付いていたからかもしれない。
 ところが、「所変われば品変わる」であり、年間を通して汗をかかない国や水資源の少ない国などでは風呂ではなくシャワーで済ます国も多い。
 年間の降水量がすくなく爽快な気候を持つヨーロッパのような国では毎日のように入浴をする習慣がなく体臭防止もあって香水の文化が生まれたといわれている。
 そんな国から来日する観光客が最も驚くのがお風呂とトイレが別々になっていることとハイテクトイレであるという。
 日本人は昔から「きれい好き」の「濡れ嫌い」ともいわれているが日本がいかに水資源に恵まれているかということについては感謝しなければなるまい。