四季に見る日本の心と人・文化そのⅡ

はじめに

(春)・愛らしい星の瞳に春の息吹(いぶき)を感じ、散り行く桜に思いを馳せる。
(夏)・淡い春もみじも色濃く育ち、真夏の太陽に生きている喜びを実感する。
(秋)・草むらにすだく虫に安らぎを覚え、燃ゆる紅葉(もみじ)に人生を振り返る。
(冬)・深々と降る雪に耳をそばだて、眠る里山に微笑みを返す。 

 世界広しと言えども日本ほど明瞭な四季が巡り、豊かな海山(うみやま)山河(さんが)に恵まれた国はない。
 
先人達はこの美しい日本の春夏秋冬の移ろいを当たり前とせず暮らしの中に取り込み、心の糧(かて)として眺めてきた。
 この素晴らしい日本の“四季・自然”は常に日本人の五感を刺激し、豊かな感受性と柔軟性のある国民性を育ててきた。
 世界に類を見ない和歌・俳句に茶華道、そして神社仏閣に武士道などは日本ならではの独自文化であり、世界広しといえどもどの国とも共通点がない。
 なぜそのような他国にない歴史・文化が日本に生まれたのであろうか。
 その原因として考られるのは日本という国の気候風土と四季自然が大きく関わっているのではないかと思われる。
 現代人は日本に四季があるのはあたりまえ、緑が豊かで清流が溢れているのも当たり前として暮らしているが世界には暑いばかり、寒いばかり、彩(いろどり)の少ない殺風景なところで生活をしている人達も多い。
 
これまで子供達の「お天気の話」の最後に皆さんは日本に生まれてよかったねという話をすると真剣に目を輝かせていた。
 日々の生業(なりわい)に多忙な日本人も自分達がいかに素晴らしい環境の中に生きているかということを改めて自覚する必要があるのかもしれない。
 長年日本の四季自然を眺めてきた気象屋の目から日本人と日本の歴史文化を探ってみた。