五月問答
朝目覚めると、スカッとした気持ちの良い初夏の青空が広がっている。
さて、今日は半袖にしようかな?長袖にしようかな?そんな日は年間を通して一ケ月もない。
ところが五月の心地よい晴天は「爽やか」ではなく「清々しい」と呼ぶべきであり、天気の方も「さつき晴れ」などと呼ぶべきではないという意見がある。
いかにも日本人らしいこだわりであるが、その理由は「さわやか」は秋の季語であり、「さつき晴れ」は梅雨の晴れ間を指すからだというのである。
そこで、現代辞典を確認すると「さつき晴れ」はそのまま五月の晴れ渡る青空としており、「爽やか」と「清々(すがすが) しい」は同意語として記されている。
言葉というものが本来自分の気持ちや考え方を相手に伝える手段であるとするならば、素直に「さわやか」とか「さつき晴れ」と表現する方が自然なのかもしれない。
ちなみに気象用語では、この議論に含みをもたせたためか少々曖昧(あいまい) である。
「さつき晴れ」は、五月の晴天のことをいう時に用いられる、「さわやか」は、夏場や冬場には用いず、快適な晴天の日に用いることが多い、としている。