人生の風

 爽やかな初夏の風ほど心地よいものはないが、人の一生には様々な風が吹く。
 順風(追い風)の時もあれば逆風(向かい風)の時もあり、順風満帆(じゅんぷうまんぱん) の人生などはありっこない。頬(ほほ) を撫(な) でるような優しい風が続くかと思えば、暴風にじっと耐えなければならないこともある。
 出来ることなら「風の吹くまま気の向くまま」、「明日は明日の風が吹く」と生きたいものだが、世の中はそう甘くはない。
 温かな風が吹けば寒風に見舞われることもある。隙(すき) 間(かぜ) (ま) 風程度なら我慢もできるが、世間の冷たい風に晒(さら) されると心までもが荒(すさ) んでくる。
 風当りが強すぎると人でも作物でもいじけてしまい、枯れ死することもある。人の世は一陣の風に翻弄(ほんろう) されることなく、新しい風が吹くまで待つことも必要であろう。
 上を見てもきりがない!下を見てもきりがない!
 「生きてるだけでまる儲け」とは、ある意味で真をついている言葉かもしれない。
 人生「雨後晴天」、「止まない雨はない」、「明けない夜はない」であり、人の道さえはずさねばいつか必ずよい風が吹いてくると信じたい!
 人生の風を読むのは難しいが、肩で風を切る生き方だけはしたくない。

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