SOS

 明治四十五年四月十四日深夜、イギリスの豪華客船タイタニック号が、イギリスからニューヨークに向かう途中、カナダの東海岸ニューファンドランド沖で氷山に接触し沈没した。事故による死者は一五〇〇名を超え、海難事故としては世界最悪のものとなった。
 この海域の今頃は水温が低く海霧(うみぎり) の名所とされており、濃霧により氷山の発見が遅れたためとされている。
 モールス信号とかトンツーといっても今では知らない人の方が多くなってきたが、このSOS(トトト・ツーツーツー、トトト)の遭難信号を初めて発信したのが、タイタニック号といわれている。モールス信号とは長音と短音を組み合わせた無線電信のことである。
 時代は移り平成十一年二月からは、GMDSS(海上における遭難、安全に関する制度)という衛星を使った新システムに変わりSOSは廃止された。
 気象界も昭和四〇年代の中頃までは、モールス信号で気象データを授受(じゅじゅ) し、手書きの天気図を作成していた。
 今は必ずしも人間が天気図を見て読み解く判断をしなくてもよい時代となったが、当時の天気図一枚は多くの人手がかかり、現在とは比べものにならない重みを持っていた。

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