新たまの年

 日本では今も昔も、お正月には年神様(としがみさま)を迎えるための注連縄(しめなわ)や門松・神棚(かみだな)などを設け、お節(せち)料理で新年を祝う。
 祭具(さいぐ)に用いる品や材料は地域によって異なるが、いずれも新年の豊作豊漁、無病息災、家内安全、子孫繁栄などを願ってのものである。 祭具には破魔矢(はまや)(魔除け)、ダイダイ(代々繁栄)、宝船(七福神)をはじめ、近年はお花や水引に末広などカラフルなものまで現れているという。地方によっては注連縄の代わりとして水木に白・赤・ピンクの繭(まゆ) 玉や餅を飾る所もあるという。
 お節には、掛詞(かけことば)でお馴染(なじ)みの豆(マメマメしく)、昆布(こんぶ)(喜ぶ)、レンコン(先見え)、クワイ(芽が出る)、数の子・ユリ根(子孫繁栄)、田作(たつく)り(豊作)、海老(えび)(腰が曲がるまで)、鯛(めでタイ)などが定番となっている。料理の「つま」としても南天の葉(難を転ずる)、松葉(長寿)、裏白(うらじろ) (白髪になるまで)、ゆずり葉(次の世代に命を託す) …とそれぞれに思いが込められている。自然の恵みに対して感謝を表すという行事は万国共通であるが、日本の正月は新年を寿(ことほ) ぐと同時に数々の縁起担(えんぎかつ)ぎをしているところが面白い。
 新たまの年を迎えるにあたって庶民は、「今年も平穏無事に過ごせますように」とささやかな願いを込める。

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