園児の秋

 それは、時おり落ち葉が舞う晩秋の頃であった。何気なしにふらりとある展示場に入ると、そこには園児達の微笑(ほほえ)ましい作品がずらりと並んでいた。
 桜、銀(いちょう) 杏、楓(かえで) 、クヌギ葉などの落ち葉やドングリに数珠玉などを利用した、鯛やカレイ、ネズミに蝶などである。園児達が何処に出向いて、何を考え、どんな表情で、どんな手つきで集めてきたのかなと思うと自然と頬(ほお) が緩む。
 画用紙の上にセロテープで張り付けたものがほとんどであったが、中でも銀杏の葉を利用した黄色のスカートを履(は) いた女の子は見事であった。その子なりにどんなイメージを持って作ったのであろうかと想像が膨(ふく) らむ。
 若い頃はそんな目で子供達を見ることはなかったが、これも通り過ぎようとする秋という季節のせいなのかと我が身を振り返る。
 穢(けが)れを知らない子供達の作品には、上手も下手も、裏も表もない。澄みきった晩秋の空のように心洗われる出会いであった。

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