酷寒の地

 あの蒼(あお) き狼といわれたジンギスカンの生地モンゴルでは、間もなく広大な大地から緑が失せはじめ、酷寒の冬を迎える。
 かつてアジアからヨーロッパに至る史上空前の大勢力圏を築いた彼の野望とエネルギーは、今なお謎とされている。そこには、厳冬という気候の中においても遊牧を余儀なくされた背景が大きな要因としてあったことは間違いない。
 酷寒の地に暮らす人々の生活は、日本人が想像する以上の厳しさがあり、場合によっては生命まで脅かされる。
 昔はこれから冬にかけてバイカル湖方面からこの地方を通ってやってくる寒気団が、日本の天気を大きく左右するということで、上空5500メートル付近の天気図を注視していた。バイカル上空の風向が北東で風速が50ノット以上、寒気の強さは氷点下40度以下を目安としていた。
 ところが近年は、この地方においても強い寒気団や優勢な高気圧が育たなくなっている。

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