自然災害

 「備えあれば憂いなし」というが、昔から自然災害に対して備えようがなかったのは地震と雷であった。
 そこで怖いものの順番として唱えられてきたのが「地震・雷・火事・親父」である。
 しかし、誰しもの疑問はなぜここに親父が登場するのかということである。これには二つの説がある。一つには昔は台風のことを「オオヤマジ」といっていた言葉が「オヤジ」に転化したのではないかという説、もう一つには親父とは父親のことではなく年貢米を巻き上げていく「庄屋」とか「名主」のことではなかったかという説である。
 身体が資本であった当時は、台風よりも食料と食べる楽しみを奪われる方がよほど怖かったのではないかと思われるがどうであろう。
 更に「寝耳に水」という言葉がある。ある日突然、思いもよらぬ出来事や予想外の知らせが届く時などに使われる。
 一般に「経験則」や「狸言」、「口伝」などは根拠がなくても正しいことが多いが、気象情報などなかった昔は、実際に就寝中の洪水や鉄砲水に襲われたことがあったのではないかと思われる。
 「朝雷に川超すな」という言い伝えがある。日本は国土の75%が山地であり、脊梁山脈から海までの距離が短く、急峻な地形をしている。このために早朝から雷を伴って降るような雨はポテンシャルが高く、鉄砲水がやってくるということを経験則として知っていたということになる。
 地球の温暖化により、世界の気象現象は今後益々巨大化するのではないかと言われている。同じ自然災害でも台風のように時間的に余裕のあるものはある程度の対策が取れるが、地震をはじめゲリラ豪雨や竜巻など不意打ち的な現象への対応となるとなかなか難しい。

 

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